─ 到着直後 ─
[到着を報せる機械音声。
いつもなら、やり遂げた、と思わせてくれるそれは、酷く虚ろに聞こえた]
……ほぉら、港についたよ。
とにかく、降りよ? ね?
[できるだけ穏やかな口調を保ちながら、下船を促し。
外に出た所に待ち構えていた男に、僅か、表情は険しくなった]
……幹部バッジ着けた方自らお出迎えとは、大した念の入りようですことぉ。
[相手の名乗りと、それを証明する金色のバッジに皮肉を交えて呟く。
自分だけならもう少しあれこれやってもいいか、と思ったものの、傍らの少年に不安を与えるわけにはいかない、と自重して。
連れて行かれた先で聞かされた話に、す、と目を細めた]