― 森の川辺 ―
[虚を突かれたかに瞬きを繰り返し、次いで色を変えた顔に。
逆に此方が瞬くことになった]
[そのままそっぽを向かれてしまった顔。
拗ねたように放たれた言葉]
[受け取った男は少しの間を置いてから、くすくすと声を零した]
ごめんね、いじめるつもりは無かったんだけど。
……俺の心はとっくに捕まってるんだから、
『縛り付け』ようと、何も変わりはしないよ、って。
だから大丈夫、って。そう言いたかっただけ。
[背けられてしまっては瞳のいろは読み取れない。
けれど、逃げ出しもしないのが拒絶ではないのだろうと判断して]
[かなうなら、残していた腕を首に絡めるように引き寄せて。
その肩に頭を預けてしまおうと*]