― 目覚める前 ―
[ソーヤに呼ばれるように、身体を離れ、彼の決意を目にした後、そのままふわふわと村の中を巡る。
エリィゼの家や、アルカの家、ヒューゴやクレイグの家も、気になる所から順に巡って、祈り子の力の余波で眠っていた人達も、どうやら無事に目覚めそうなことを確かめて安堵した]
エリィゼ...
[その次に、探したのは、祈り子の力が繋いだ夢の中、自分を励まし続けてくれた少女の姿]
沢山、心配かけて、ごめんね。ありがとう。
[もう、彼女にだけ届いていた声は届かないだろうけれど、どうしても、そう告げておきたくて]
目覚めたらまた、会いにいくよ。
ああ、そうだ...クレイグにお詫びに行く時には、ついてきてくれると嬉しいな。
[少し悪戯めいた囁きは、少女の夢の片隅に、届いたかもしれなかった*]