[バレンは背を向けたまま。少女の動きを見ているのはメタリックの龍のみ。飛び退りとそれに伴った動きに対し動いたのは、やはりメタリックの龍だった]
「ケイコク ハイゴヨリ キシュウ アリ」
……───!
[アラームと共に機械的な声を発する異界龍。それに気付き、バレンは瞬時に手元を異空間と繋ぐ。引き出すのは己が身長以上もあるロングスピア。それを右手に持ち、振り向き様に槍を一閃。放たれたナイフを弾くように一掃する]
………面倒な。
[切れ長の瞳が更に細まる。放置しても付きまとって来るのだろうと判断し、仕方無く応じることにした。右手に槍を構え直すと、ワンステップ前へと飛び、少女に対し真正面への突きを繰り出す]