―ライヒアルト自宅―[あれから数日が過きた。未だ目を覚まさないライヒアルトをエミリーは静かに見詰め続ける] ――ラーイ。[静謐な部屋の中眠る友人の横顔に手を伸ばし、黒髪を撫ぜ友人の名を呼ぶのは幾度目になるだろう。けれど、沈んだままの魂はエミリーの呼びかけに答えてはくれなかった]