[エレベータルームに入ると同時、止まる駆動音。
開かれた扉から現れた男の手には、銃。
構えられた銃の口を見据え、斜め前へと跳ぶ。放たれた弾が、先程まで彼女の居た床を抉った。
留まらず、直ぐ様、方向を変えて駆ける。
足首を捻る動きに怪我を負った足が痛みを訴えていた。
続く銃撃は躱すし切れず腕を掠めるも、
体勢を低くして懐に潜り込み、
下から掬い上げるように、拳を食らわせる。
顎への一撃。
揺らぐ男の身体に追撃の蹴りを放つ。
背にしていた壁に、鈍い音を立ててぶつかり、ずり落ちる。]