僕の聞きたい事、それは――――…
[震える唇はやや云い淀むが、
それでも言の葉を紡ぐことは辞さず。]
10年前、僕の双子の弟のエドガーが死んだのも
もしかして人狼の仕業だったのかな…
[不幸な事故だったとその時の人は云う。雑木林で野犬か獣に襲われたと確かあの時はそう結論付けられた筈で。…けれど娘は見てしまったのだ。弟が無残な屍に成り果てた事を。
其の時の人狼と、今回の事件が重なるとは思ってはいない。けれど、如何しても近視感を拭う事が出来ず老年の自衛団長に恐る恐る訊ねた。返事が返らずとも言葉が濁されても、其れも一つの答えとして娘は受け入れたのだろう*]