― 最後の瞬間 ―
[にーさん?と呼ぶ声>>7を聞けた気がする。
PMCに奪われた身体はもう殆ど溶けていたし、気のせいだったかもしれないけれど。嬉しいと思えた。
ノブも確かに生きて居たのだと。PMCに擬態された部分があっても、自分という存在は0だけでなく1も残せたのだと思えて]
ズルくてゴメンネ。
こんな生き方しか知らなくてさ。
[馬鹿な研究者もいたせいで、故郷は閉鎖的になって。
そんな研究者の子供を一人で育てていた母は暴動に巻き込まれて事故死。施設も、奨学金の為に入った軍も肌には合わなくて。身一つで故郷を出てきてから10年。こんな終わり方をすることになってしまったけれど]
オーフェン。
お前はいい大人になれよ。
[泣いている少年が前を向いて歩けるように祈って。
チップが発していた信号は沈黙した**]