[刀が目覚めぬのは、既に試して知っている。 何よりも、己には「楔」がある。 傷を追っているだけでなく、 不利は承知だった。 それでも。 あまり馴染まない冷たい感触。 手の内で遊ばせながら顔をゆるりと上げ、 *緑の眼差しで、鉄の箱を捉えた。*]