[泣く最中に感じる、後ろ頭に触れる優しい手の動き>>499。泣くことを促すような、泣いている僕をあやすような。そんな緩やかな動き。吐き出すものが減って行き、嗚咽も止まりかけた頃、その動きが不意に止まった]…… っ は ……──…ありがとう、オリガ。[様々なことに対する感謝を紡いで、僕はオリガの胸元から顔を上げる。涙の痕は当然残ったままだが、感情を示す右目は柔らかだった。その瞳をオリガに向けた後、彼女の背に回した腕に力を籠める。引き寄せて、自分の胸に抱こうという動き]