[お義父さんって言えばよかっただろ、とか。
二人ともそんな不器用なとこがちゃんと親子だったから気にするな。とか
そんなことを言うゼルの声を聞きながら、ふっと苦笑をもらして]
あんた。らしい。
[そう、ぽつり、呟く。きっと、慰めてるつもりじゃないんだろうけれど。
心からそう思っているんだろうけど。
なんだか、慰められているような気がして。
堪えている涙が、零れ落ちた。]
『ローザ。お前は楽団で引き取るらしい。ってことで、やっぱこれはもらってく。ああそれと、一人で楽団に顔出すとはいってないんでやめとくから』
[そう言って、懐に手を入れる彼の言葉を聞いて。
頬に流れた涙の線をこすって、ゼルの元へ行き、頷いた。]
うん。わかってる。
きっとお義父さん達だって、こんな再会は、望んでないから。