あわわわっ。えっと、あの、結婚して欲しいのはイレーネで。
その、あの、えぇっと、この箱の中身は、私が作った指輪なんですけど。
[しどろもどろ、説明になっているのかいないのか、そんな青年の説明をイレーネの父親は唯静かに聴いていた。]
幸せにできる自信は、正直、ないんですけど。
でも、もし、彼女が空腹で耐えれないってなったら、私の命を差し出してもいいと思うほど、イレーネのことが好き、です。
一緒になること、赦してもらえません、か。
[青年の精一杯で想いを吐露しきったところで、相手はやっと口を開いた。]