『……自ら命を絶って、それを願うものを喜ばせる義理はない。 一つでも消し去れないことを、精々長く悔しがって貰おう』[自分ではもう奇跡を求めない。けれど。吹き抜ける風を遮るようなことにもならないようにと。そう思うのは無意識下。ただ死ぬ気はないというつもりで、答えた]『君のイレーネは、まだ咲いているのだろう。 ……少しでも長く』[祈る神はいないから。風の狼と朱花の幸せを。ただ願うだけ]