―工房『Horai』/客室―
[惚気を少年に聴き流されているとは知らず。]
お母さん譲りなんだ。
ミハエル君のお母さんなら、
カルメンさんの作るビスクドールみたいな美人さんなんだろうね。
あ、翡翠……私に任せて貰えるものがあるなら、お願いしようかなぁ。
[ミハエルの、更につくらせると怒るには、困った顔を作る。
怒りはしないが、困ると言いたげに。
そして、カルメンから返事がくれば、嬉しそうに]
うん。ゆっくりしていってくれるといいよ。
[元からの住人であれど、通り雨ではないとは気がつけぬまま、是と告げた。]