[開く距離に数歩、飛ぶように自らも間合いをあける。
重さのある、上からの一撃――
受けるのも、流すのも不可能に近いのは目に見えていた。
…ただ、大人しくやられるのも、癪に障る。
カキンッ、と手首を捻りながら、解かれたままの三節を組み立てて。
左腕を前にして構えると、相手へと向けて先を上へ掲げた。
半ば賭けに近い其れ。棍が保つか、やられるか。
――それでも大人しくやられるよりは、何百倍もマシだ。
一節目へと手を掛けて、三節の一つだけを、解いて。]
――…っ、!
[振り下ろされる、瞬間。
鎖で繋がれた継ぎ目へ、繰り出される白銀を狙った様に押し当てる。
ギチ、と耳に突くような金属の擦れる音に、僅かに眉を寄せた。]