─ 狭間の空間 ─
[滴が止まった事に感じるのは、安堵。
理由はどうあれ、泣いているのは見たくなかった──子供の頃から、ずっと]
……教えたら、心配かけるかな、って。
そう、思ったら、言えなくて、ね。
[知らなくて、という言葉>>495に、小さく返し。
向けられる視線から目を逸らしはせず]
支えられてたよ、前から、ずっと。
だから……まもりたかった、傷つけたくなかった。
……失くしたく、なかった、から。
それが、できなかった自分が……赦せなかった。
[ぽつり、と。最後に紡いだのは、喪失の際に最も強く感じていたもの。
朱の花を、狂花と変えた、切欠のひとつ]