>>501
……馬鹿が。
[は、と小さく息がこぼれる。
押しのけられた手は力なくパタン、と地面に落ち、それから視界を──というよりは、表情を隠すように。
相手の集中しているもう一つの理由なんてわからなかったけれど、結局それは彼に負担をかけていることには変わらず。
手が引かれればようやく顔を覆う手は外れただろうか]
……。
[彼のほうを見ずに、わずかうなずいたかと思えば、すん、と小さく鼻が鳴る。
少しだけ慌てたようにあとは自分で始末をつけて]
…お前、生きてたんだな。
[別段死んだとも思ってはいなかったが、なんとなく、ぽつりと]