何を話したかもわからないまま同僚の両親と別れ、ふらふらと覚束ない足取りで歩いて。
この後どうすれば良いかわからないまま、只歩いていたら、急に誰かに抱きしめられた。
驚いて、抱きしめてきている人の姿をみれば、母だった。
よくみれば、すぐ側に父の姿もあった。
怒っているような、困っているような表情で、私をみている。
涙声で何を言っているのか解らないが、母が繰り返し何かを言ってきて。
良く聞けば、生きていて良かったと、ただそれだけを繰り返していて。
やっと、私は、自分が生きていることを、許された気がした。
人の命を奪って、結局誰を助けることも出来ないまま、ただ生き残った自分を、ようやく許せるような、*そんな気がした。*