あは、ありがとっす――[この日初めて、褒め言葉を素直に受け取った。 手応えと同時に散った、紅いもの。 しかし男は、その程度で諦める様子はなく] くっ![剣を完全に振り抜いた体勢に、白刃が迫っていた。 左腕を強く外へ振り、刀身にぶつける事で軌道を逸らす。 一撃こそかわしたものの、反動で身体は大きく右へと傾いた。 右の拳を着き立て直す動きは、次の斬撃に間に合うか]