[新たに広間へ現れた年端の代わらぬ少女に、目を丸くする。
赤毛の少女も、金髪の少女も、彼は知らなかった。
蒼髪の青年も、茶髪の青年も、彼は知らなかった。
辛うじて、コーネリアスさんの事は、鈍い痛みと共に思い出したけれど。
――いったい、どうしてこんなに人が集まっているのだろう?]
…っ!
あ、うん、はい…そうだよね。
[ぽんと頭に乗せられた温かな手とからかいを含んだ声に、日常を感じて笑みが浮かぶ。次いで、余計な記憶も思い出す。]
あーっ、そうだ! 酷いじゃないですか昨夜騙してっ!
ボク本当に怖かったんですからね!
[怪我人を起こさぬよう、客人の少女たちに聞かれぬよう、小声で猛抗議。]