─ 黒珊瑚亭 二階・五号室 ─
しょーがねーだろ、俺の愛は一人に絞れねーんだから。
[獣の声>>450に返すのは、いつもの口ぶりに戻す。
彼が食の衝動を止められていたなら、友を選んだかもしれない─いや、きっと選んだ。
けれど、自衛団長に続きゼルギウスの命が奪われて、それは無理だと悟って。
結果こうなってしまったことに、後悔していないと言えば嘘になる、が]
…嬉しいんだから、礼くらい言わせろよ。
[彼がくれた言葉と、またこうして話せること。
その両方に感謝を込めて、潤んだ瞳を隠す。
口端上げての言葉は、喉奥で笑って]
[呼ばれた名>>451に、すぐ答えることは出来ず。
こちらの勝手な思い込みかもしれぬ望みを聞いた友が、小さく唸るのを聞く。
暫しの間、深い息を吐き出した後、頭を振るのをただ見つめて]