人狼物語 ─幻夢─

84 廻る刻・待宵歌


道具屋 エト

[耳を傾けるうち徐々に下がる視線。
声が一旦止めば、深い息を漏らし、クレイグの目の高さに眼差し向けた。]

 そんな風に思ってたのか。

[知らなかった、とそんな意味合いの響きが重なる。]

 不器用なのは手先だけじゃなさそうだ。
 あのな、装飾工のメリルと比べたら誰でも不器用になっちまうぞ。
 本職と比べてどうするかね。
 ほんと、仕方ないなぁ。

[困ったように、わらって]

 継いだものを『務め』と思うのはわかるけど。

[それは当初の務めさえ果たせず、
二つ目となった務めに対しても強い思い抱かずにいた道具屋には
ちくとした痛みを思い出させる言葉だった。]

(523) 2013/08/13(Tue) 15:59:37

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