[耳を傾けるうち徐々に下がる視線。
声が一旦止めば、深い息を漏らし、クレイグの目の高さに眼差し向けた。]
そんな風に思ってたのか。
[知らなかった、とそんな意味合いの響きが重なる。]
不器用なのは手先だけじゃなさそうだ。
あのな、装飾工のメリルと比べたら誰でも不器用になっちまうぞ。
本職と比べてどうするかね。
ほんと、仕方ないなぁ。
[困ったように、わらって]
継いだものを『務め』と思うのはわかるけど。
[それは当初の務めさえ果たせず、
二つ目となった務めに対しても強い思い抱かずにいた道具屋には
ちくとした痛みを思い出させる言葉だった。]