[鎖を繰りつつ、軽く、咳き込む。
先の激突の衝撃は、鎧を纏わぬ身には思いの他響いていたらしい]
何度も、食らいたいモンじゃねぇな……。
[小さく呟き。
打ち据える衝撃を感じたなら、次の一撃を打ち込むべく、鎖を一度下へ流そうとするものの]
……っとお!?
[それを阻むようにかかる、力。
無限の輪を連ねた二重の鎖の一部を、プライヤがくわえ込んでいた]
ちっ……ん、のっ!
[躊躇いは瞬時。
捕らえられた状態は、逆に捉えた、ともいえる。
そして、精霊鋼──オリハルコンの鎖は容易く断ち切れはしないはず、と。
左手を鎖に沿え、ぐい、と力をかけて引く。
狙うは、相手の体勢崩し]