─ 森の川辺 ─[そっぽを向いた耳元に零れて落ちる、声。居た堪れない思いに囚われるのは刹那、告げられた言葉に抱えていた緊張が僅かに、緩む。力で縛り付けるような事にはしたくない、という思い。最初に会った頃から無自覚、抱えていたそれがとけて薄れて。大丈夫、という言葉に心の内に安堵をひとつ、積み上げた矢先]……っ!?[身体にかかっていた力が、変わる。虚を突かれた事もあり、そのまま、引き寄せられて。何を、と問うより先に、肩にかかるのは、重みと温かさ]