[アラートの消失と共に、悪夢の日々の幕も下りて。
俺はナターシャさんやマイルズとも離されて、身柄を拘束された。
保護だって奴らは言ったけれど、あれを普通保護とは言わないだろう。
大した怪我も無かったのにやたらと検査を受けさせられて。
暴れなかったのは単に気力が沸かなかったからだ。
終わったという脱力感。
ラッシュが…兄が居ないという喪失感。
そして。知人の、友人の命を奪ったという、罪悪感。
反動のように襲ってきたそれらが落ち着くには時間が掛った。
だからその間、言われるままにしていても何も感じなかった。
開放された俺を迎えに来てくれたのはワイアット夫妻だった]