― After days ―
[届いたばかりの手紙をスタンドライトに透かして見る]
今時珍しいよな、紙の招待状。
こっちの休みを調べたわけじゃないんだろうに、こりゃ断りようもない日程だなぁ。
[勿論、断る気なんて毛頭無かった。
休みじゃなかったら無理矢理にでも休みを作って聴きに行こうとしただろう。
神秘の奏者、復活の演奏会を]
ナターシャさんの前後の予定ってどうなのかな。
たまにはお茶もしたいところなんだけど。
[丁寧にケースへと招待状を仕舞って、操作端末に触れる。
画面の中を駆けていた、四足の白い影が消えていった]