私、皆に、隠し事、してたの。
ギュン爺ちゃんは、おじいちゃんに聞いて、知ってたから。
だから、聞いてもらってたの。
[泣いている自分を案じるように蒼鷹は傍に擦り寄ってきただろうか。
その背をそっと撫でながら、皆がどう思うか怖くて逃げ出したい気持ちを抑え、言葉を紡いだ。]
…私の目、皆と、違うの。
死んだ人の、気持ちとか、正体、とか。
そういうのが、見えるの。
呪われた、目なの。
[数刻前、ゼルギウスが自分の容貌を憂いていた。
けれどそれはあくまで見た目で、こちらは本当に他者とは違うものが見える。
よっぽど自分の方が呪われているのだと、この目のせいで両親にも捨てられた少女はそう思っていた。]