……なんで、泉の……『祈り子』の話、俺にちゃんとしてくれなかったのか。
[意を決して投げた問いに、祖父は一瞬、表情を強張らせたけれど、構わず言葉を続けた]
他の事は、何でも教えてくれたのに、それと……もう一つの事だけ、ちゃんと、話してくれないまんまだよな?
その二つって……『祈り子』の伝説と、俺の、とーさんとかーさんの事って。
……なんか、関係、あんの?
[どういえばいいのか、でずっと悩んでいたから、言葉は途切れがちだったけれど。
それでも、祖父から視線を逸らす事になく投げかけた問い。
空白を経て返されたのは、何故、それを今問うのか、という言葉で]