ええ。まあ…思い出せませんねえ。
一体あの手紙も何のために書いたのかとかねえ。
[ギュンター宛の手紙の内容も、詳細は書かれていなかった]
[直接口でのみと言われているということ、共通の友人のサイン、それだけ]
いやいや、ゆっくりと思い出していきますから。多分。
ついでに色々、ドジなのも直るかもしれませんし?
[横に振られた首には少し嬉しく、ありがとうございますと感謝した]
なるほど、肩からかける鞄ですか。
あれば便利かもしれませんね。
鞄ごと落とすことはないでしょうし。
[感謝の気持ちにと、怪我が癒えた後、黒真珠が一粒入った袋を治療にかかわってくれた皆へと渡していた]
[断られても押し付けて]
[これのお蔭で助かったのかもしれませんねぇと、笑って、お守りにと差し出したのだった]
[ギュンターも、今も持っているだろうか]
[小屋の代金としての細工――それもまた月と金の、精巧なものと一緒に]