─工房『Horai』客室─――良かった。ミハエル君は目が肥えてるから、そう言ってもらえると胸を張れるわ。[賛辞してくれる夫を信用してないというわけではないが。他者の目と評価は、それとは違ったものを与えてくれ、糧になる。ミハエルの言葉に手を胸にあてホッと息を付けば、ようやく窓の外にも気を配る事が出来た。]あら…降ってきたみたいね。[急に強くなってきた雨足に、大丈夫かしらと瞬いた。]