[触れていれば表情が動いているのがわかる。ただ、言葉を待つように、それをせかしたりはしない。名前が届き、手が重なると、知らずに笑みが浮かんだ]うん。――寝汚いよ、エル。[言う言葉は文句だけれど、口調はゆっくりとしている。無理に起こすこともなく、ただ、親指で少し強く目元を擦るようにして]……ちゃんと起きておいで。