ふむ。
伊達にあんな大物は振り回してはいない、と。
[負けじと引き返す力に、小さく呟く。
人の器に収まっているとはいえ、身体能力は常人のそれを大きく越える身。
それと均衡を保つ様子に、純粋な感嘆を浮かべつつ]
とはいえ……このまま、綱引きお見合いってのは、埒があかないんで、ね。
……エターナル・ロンド、散!
[鎖を瞬時に光鎖へ、そして、無数の無限の輪へと転じて周囲へ飛び散らせる。
黒く輝く無限の輪は、光を散らしながら銀の蛇の許へと戻り、連なって漆黒の光鎖を編み上げ、空間に揺らいだ]
長引かせると、色々と厄介……かな、これは。
[小さく呟く。翠の双眸には、それまでよりも険しい色が浮かんでいた]