[空中ならば避けられないだろうと考えたが、それは変化の力によって直撃はせず。お返しとばかりに迫る火球に僅か眉根を寄せた。薙いだ槍を弧を描くようにしながら頭上へと動かし、少し短めにして両手に持つ。その状態から火球目掛け振り下ろし、左右に分裂させることで直撃を避けた。割れた火球は頬と、顔の両脇の髪を焦がしながら後方へと散って行く]
…………。
[着地は猫となった少女の方が早かったか。長髪を靡かせながら地に降り立つと、息つく間もなくナイフが迫る]
……………ち。
[極小さな舌打ち。避けるには間に合わないと、ナイフの軌道上に左腕を翳し、それにより身体への直撃を避けた。腕に刺さったナイフは袖を裂き、その奥から紅を滴らせる]
…Es diferente…Mundo…
…Uno…Un amigo jurado……Resonancia…
……Mosca……
[負傷した左手に槍を持ち、右手は刺さったナイフを抜く。それを少女へと投擲仕返しながら、呪を紡いだ。肩に居た異界龍が投擲したナイフに紛れ、少女へと飛ぶ。ナイフが少女へと到達する直前、異界龍は急上昇。尾を刃と化して少女の肩目掛けて急降下を行った]