[重ねた手を握るように力を込める。
今はまだ強くはなかったけど、離れまいと、離すまいとするように]
……寝汚い…ってー……なに…。
[オレにそんな自覚はなかったから、ゆっくりながらも言い返して。
起きておいでと言われて、オレは小さく頷きを返した。
起き上がるために身体に力を入れて、重く感じる身体を動かそうとする。
重いと感じていたのは骸と繋がっていたため。
足と腕に力を入れると、身体がずるりと骸から持ち上がり、繋がっていた細い糸がぷつりといくつも切れていった]
……ゲルダ────。
[持ち上がった身体は、人型。
生前の通りに長く豊かな髪が揺れる。
以前との違いと言えば、本紫のままの瞳と、頭についた狼の耳、そして後方でふさりと揺れる大きな尻尾。
ゲルダの姿を見ると、オレはへにょりと眉尻を下げた]