ちり、と胸を焦がす罪悪感を抱きながら、そっと封を開けると、中に入っていたのは簡単な手紙と、神秘の奏者の演奏会のチケットだった。
手紙には、文面からこちらの身上を案じ気遣う気持ちが伝わってきて、申し訳ない想いとともにじんわりと温かいものを感じて。
まだ、顔を合わせるのは少し、勇気がいるけれど。
折角の招待状を無為にすることは出来ないし、何より自分に送ってくれたマイルズの気持ちが本当に嬉しかったから、行くことを決めた。
そう思っていると丁度レッグからメールが入り。
マイルズから招待状をもらったから一緒にお茶でもしてから行こう、という内容に、しらず柔らかく微笑んだ。
そして、は、と気付きと顔をあげて。
「それにしてもマイルズさん、この人のチケット何枚も取るのきっと大変だったわよね。
お会いしたらお礼とチケット代お渡ししなくっちゃ…。」
彼女が、舞台の上に立つ彼をみて驚くのは、*また少し後の話。*