[>>550 額に触れる手も、脈を取る手も、避ける事はしなかった。下がった体温と、明らかに弱い脈動だけは、誤魔化しようもない事だから]……自棄って、いきなり、だなぁ。なんで、俺がそんなのにならなきゃ、ならない、の。[できるだけ、平静を保とう。返す言葉は、不自然に途切れる。真白の猫が不安げに鳴いた。微かに眉が寄ったのは、その声のためか、微かに震えている手を自覚したからか。それでも、表情はいっそ、穏やかとも言えるもののまま、変わらない]