[最後、レンの声が聞こえたような気がした。
気づけば自分の部屋のドアの前にいた。目の前には開いたドア。]
帰ってきたのかしら…?
[見慣れた光景、自然と口調はいつものお嬢様のものに、
使用人がこちらの姿を見てあわてた様子で駆け寄ってきた]
「お嬢様、いままでいったどこへ?
五日間もずっと行方不明で消息もつかめず、心配していたのですよ。」
[その様子はいつものごとくどこか社交的な色合いを含んだ様子で、
けれども、もう今は気にならなかった]
UFOにさらわれてたみたいですわ。
[社交的な笑みを浮かべ返した言い訳はそんな言葉。
使用人が呆れたような顔でこちらを見ている。
真実など話せるわけもなく、信じてもらえるとも思わなかったから。
結局、家出をしていたんだと回りのものからは認識されることとなった。]