─ 神魔の森 ─
[天使の気配帯びた人の子との出会いの後。
落ち着かぬものを感じながらも、森から離れる事はなかった。
生まれてから幾許かの時を過ごした天界。
己が堕天の所以を知らぬ神魔にとって、その天界の者の訪れの意は知れず。
知れぬが故に──それは、気にかかっていて]
……っ!
[結界に力ある者が触れる感触に、とっさ、そちらへ向かう旋律の路を開く。
跳んだ先に見えた姿は──記憶にもあるもの。
もっとも、向こうの記憶とこちらは、かなりかけ離れているだろうが]
……天煌の許にあるべきものが。この地に、何の御用でしょうか?
[内に巡る想いはきつく手を握ることで押さえつけ。
投げかけたのは、淡々とした、問いかけ。*]