― 空間のひとつ ―[と、と胸元に掌を当てる。その左手も腕から伝うあかに濡れたままではあるけれど]問題ありませんよ。……というより、お互い様でしょう。[見遣る先の彼>>546に刻まれた傷も決して少なくも浅くも無い。矢張り人相手ではこの程度の力が限界かと内心に落とす]癒す道具さえあれば良かったのですけれどね。私が扱えば、この程度の傷ならすぐに治せるのですが。[右手を地に添え、ぐ、と身体を持ち上げる。上空に逸らされた視線の先で吐かれた溜息に笑って]