……それは……それも。俺も同じ、だよ。聴いてくれるのが、嬉しかった。俺の演奏で喜んでもらえる度に、ここにいていいんだ、ここでできる事があるんだ……って、思えたから。[伸ばされる両の腕。天鵞絨は、一つ瞬くものの、避ける事はなく]……ん……ありがとう。[すぐにそれを止める事は難しいけれど。そう、言われる事で、少しずつ、自分への憤りは鎮まって。腕に包まれるのに僅かに遅れ、同じように、自分も手を伸ばしていた]