兄、さん。[漸く出た声は震えた。それと同時に、何故か視界がぼやけて、よく見えなくなって。近付こうとしても、足は凍り付いたようで動かない。ふと頬に暖かさを感じて、手を触れる。そこでやっと、己が泣いているのだと気付いた**]