[リックの話を聞いて、思わず目頭が熱くなるのを何とか堪えた][ずっと、いつかこんな時が来るのは覚悟してた。初めて会ったときには既に寿命が尽きかけていて。そしてまるで生き急ぐかのようにふるまっていて。きっと、もう二度と会えなくなるのは、そう先のことじゃないと][覚悟していたはずだった。桜を見に来なかった、あの春から、それは確信に変わっていた][それでも、はっきりと聞かされれば。楽しかった思い出が綺麗に思い出され][風がざわめき、森の木々を揺らしただろうか]