─ 厨房を出た後の出来事(医務室→冷凍装置安置所) ─
[それから、医務室の面々には「玄関を一度見て来る。」と告げて、一度冷凍カプセルへ戻った。
それは睡眠を取る為ではなく──、]
自分が、重要な荷物をリスク分散させず、
ロッカーにだけ預けたとは思えない。
私は、……前に進む事より、
過去に拘泥しているのかもしれないが。
[天井から差し込む僅かな光。暗いホールは石膏の匂いで息が詰まる。
薄闇の中で点滅する紅い光は、ただ変わらぬ永遠の死を示しているかのよう。
靴音を鳴らし、柩が並ぶ中、自分が眠っていたカプセルを探した。]