[妖精の環を作った当人は捕まり、封じられていたものたちは解放された。悪戯ものたちは知った瞬間、我先にと逃げ出したのだから薄情なものだ。環を壊される前に戻る必要があったのは確かなのだけれど。
当然、処罰が与えられることにはなったのだが、問題はその内容。
200年の昔に在ったように森を見守ることを課す、という案も出たが]
……やだ。
[子供染みたたった一言の否定と、何よりも騒動を起こした理由を考えれば押し難いものもあったため、それはなし、との判断に至った。罰を決める間、かれは一先ず人の身を奪われて、林檎の樹の傍より動く事を禁じられる。
その事を、老婆は未だ、知らなかったろう。
けれどかれは、昔を思い出す彼女の姿を見ていた]