[喉元に手を遣り、手近なカプセルにもたれる。
顔を片手で覆い、粉塵を吸い込まないようにして、呼吸を深くしようとするが。
それからカプセル探しを再開する。ナンバーとランプの色を頼りに。]
……──これは?
嗚呼、中身がケースになっている、はずだな。
だが、鍵が無い。
[時間を掛けて寝台を探ると、衣装室にはなかった礼服のタイを止めるサファイアブルーの飾りピンが出て来た。記憶が浮上する。鍵の行方は思い出せない。もう失われてしまったのかもしれない。]
後でユリアンに相談してみるか。
─ 厨房を出た後の出来事(医務室→冷凍装置安置所)・了 ─
[大広間へ戻る。]