[――やがて、ふと何か聞こえたよに空を見上げ、途切れる旋律。ぱさささっ、ぱさっ。休憩は終りと飛んでいく小鳥達。残ったのは、小さな掌にすっぽり入り込んで羽根膨らましてる白いの一羽きり]『 』[薄い唇が柔らかく名を象り、伸ばされる左手。その甲に薄い銀の印光るのと、力強い手に包まれ隠れるのはどちらが先であったか。振り向き、音無きコエが綴る別れの言葉。ふわりと舞った蓬髪に隠れ、傍らの仔に届くことはなく。時の迷い人の姿は、夢幻のよに*ふわりと消えた*]