『とぼけんなよ!
寮が結界に閉ざされた時にお前がどっかに運んでった翼持った子だよ。
付き合ってんだろ?』
ああ、あいつか……そんなんじゃねーよ。
ただの噂だ。
[そっけない返答に周囲は何故かブーイング]
『んだよ、お前にも春が来たかと思ったのにー!』
…喧しい。
[周囲の盛り上がりにまた溜息が漏れた]
[喧しい周囲を引き連れたまま、寮へ戻ろうと歩を進める。
その間も質問攻めなもんだから、前方からの集団に気付くのは遅れた。
前方からの沸き立つ声にようやくその存在に気付き、顔を上げる。
見ればその中心で拉致られるような形になっているのは、先程まで話題に上がっていた女生徒]