― Old days ―
そう、です。けど。
[予想以上の大事となった追試を終えて、無事に進級できた次の年。南館廊下にて。
明るく名前を呼ばれて、振り返った先には金の髪の青年がいた。
エーリッヒと名乗った彼は、やっと話せたと楽しそうに笑い。
自分と同じ、異界出身者に興味があると言われ。眉をへの字にして顔を見上げた]
エーリッヒ、さん。
それも間違いない、ですけれど。
私、あまり覚えてない。から……。
[彼の友人達は、興味深そうに遠巻きにしている。
こちらは相変わらず、一緒に行動したりする友人などはクラス内に作れていなくて。
おろおろしながら俯いていると、胸に抱いた鞄の中から小さな仔猫が飛び出して、エーリッヒの胸にパンチを繰り出した]