― 生徒会室 ―
[キャンパスを染める色と誠が流した色は同じか。
血を失い朦朧とする誠の姿が目に入り佑一郎は入り口で足を止めた。
これまで犠牲となった者の姿が一瞬重なり柳眉をきつく寄せる。
手際よく止血をする慎太郎と友梨にその場は任せる事にしたか
暫くはその光景を静かに見守っていた。
かけがえの無い友―響と春―の命を奪った者が其処に居る。
どんな理由があろうと佑一郎の中で其れは変わりようのない事実。
あの時感じた憤りと喪失感を忘れたわけではない。
大事な者の命を奪った人狼役の、倒れた彼を見据える]
――…このまま逃げるなんて許さないよ。
[終わらせようとしてだろう自傷という行為。
其れによって全て清算されたように終わりを迎えては
これまで犠牲になった者たちが報われない。
生きる為に足掻いた者が大半なのだから――]